News Diet ロルフ・ドベリ  情報があふれる世界でよりよく生きる方法

より少ないことにこそ、豊さがある。

情報との向き合い方が分かる本でした。

最近本を買うことが減っていましたが久しぶりに衝動買いし購入したその日のうちに読み終えた本です。

情報洪水の時代だからこそ目にする情報を少なくすべきなのではないか?と最近考えていましたのでちょうど良いタイトルだと思い購入しました。

著者は

Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法

Think Smart 間違った思い込みを避けて、賢く生き抜くための思考法  

Think right 誤った先入観を捨て、よりよい選択をするための思考法 

らの著作を持つロルフ・ドベリ氏です。

これからの時代を生き抜くには『思考の道具』が必要です。

そして思考をするためには多すぎる情報は不要であり、ニュースを見聞きすることはむしろ有害となります。

『自分にできること』を考え行動すべきであり、自分でコントロールできないことは無視すべきです。

メディアは正しい『見識』を持っているわけではない。

常に最悪を想定していれば、今は少なくとも最悪ではないことは分かる。

何があっても私は『自由』だ。

著者も最初はニュースを追っていたそうです。

新聞を見て、ラジオを聞き、テレビを見て、ネットにより世界中の報道を得ていました。

しかし、それらのニュースを集めることにより、世界を理解できているのか?決断できるようになっているのか?を問いたとき何も変わらないことに気付きました。

そして自分が長い文章を読むことができなくなっていることに気付いたそうです。

確かにニュースって出来るだけ印象的に伝えるため事件の背景や前後関係をあまりきちんとは伝えていませんよね。

短くそして衝撃的にという印象です。

ニュースの不要性

ニュースの99%はあなたに不要

多くのニュースは聞いたところで私たちにとっては無関係です。

そして何もできることはありません。

被災のニュースを見て同情をするくらいなら寄付など実際にできることをすべきであって同情をしたところで何も救いにはなりません。

だから多くのニュースを集め詳しくなることは無意味なのです。

何も変わらないことに時間をかけるべきではありません。

時間は有限なのですから。

理解を妨げる

多すぎる情報は理解を深めるどころかただ自信を過剰にするだけです。

多くのことを知っていることは人を有能と勘違いさせる気がします。

ですが人にとって本当に大事なのは多くのことをただ知っているのではなく、多くの知識を適正に理解した上で、その知識を人生や人のために活かすことができるか否かだと思います。

悪いことは良いことよりも過大に捉えられる。

人間の本能として悪いことは良いことよりも目に付きやすいです。

特にネットニュースでは悪いニュース、危機感を煽るようなタイトルを付けた方が明らかにアクセス数が増えます。

だからこそニュースはバッドニュースばかりになります。

そして私たちの危機感を煽ることになります。

何も理解できていないのにお互いに危機感だけを煽り合うことになります。

ニュースでは大まかな事実を知ることはできますが、出来事の背景や前後関係を知ることは困難です。

集中して文章を読み理解するには10分は必要である。

何かを理解するには10分は集中して向き合う必要があります。

しかしニュースにはそんな長文はありません。

長文を作成しても多くの人には読まれないからです。

ニュースの本質は人々にわかった気にさせることです。

本当に理解させ、人々が意見を持つことは求めていません。

最近読んだニュースを覚えているでしょうか?

逆に最近読んだ本を覚えているでしょうか?

多くの人は本のことは覚えていてもニュースのことは何一つ覚えていないのではないでしょうか?

ニュースは私たちを受け身にします。

世の中の出来事に踊らされ被害者意識を植え付けられています。

そして自分たちにはできる事はないと無力感を感じさせられ何もしなくなってしまいます。

ニュースは事実そのものではなく、あくまでもジャーナリストが書いたものです。

ジャーナリストの目というフィルターを通したものであることは忘れてはいけません。

可哀想だと感じさせたければそのような文体でニュースは作成されるでしょう。

人々の反感を買うようにさせたければ多くの人が怒るような角度からニュースは作成されるでしょう。

例えばその犯人に同情させたければ可哀想な生い立ちを加え、逆に根っからの悪者に仕立て上げ立てたい時は犯人の反社会的な発言を大きくとりあげるでしょう。仮に酔って書いた一度だけのツイートであっても事件と同時に報道されれば反社会的な人間に仕立て上げるのには十分でしょう。

衝撃的な事実

ニュースがなければテロリストは生まれない

テロを拡散し、恐怖を人々に植え付けているのはテロリストではなくニュースです。

ニュースがテロの広報を引き受けているからこそテロがテロとして成立しているのです。

もし広報がなければテロ行為は成立しないのです。

ニュースの洪水が今日の政治への無関心を引き起こしていると著者は言います。

この事実は衝撃ですよね。

確かに遠い国の出来事はニュースとして報じられなければ私たちは知ることもできません。

知ることもない出来事に犯行声明をされても何も感じようがないことになります。

知ることもできないのではテロの意味がないです。

多くの人に無関心、無気力を起こさせ政治への参加意欲を奪っています。

ニュースは人々から政治への参加意欲すら奪っています。

確かに僕も自分が何をしても政治も世の中も変わらないと思っています。

ニュースでは悪い面や衝撃的なものばかりが大きく取り上げられます。

日本においても前首相は多くの公約を守り仕事を果たし、コロナ対策においても世界に遅れずにワクチンの確保を行いましたが、多くの人はNOを突きつけました。

ニュースでは悪い報道ばかりが目立っていました。

ニュースは政治すらコントロールできる状況に陥っています。

これからのニュース

ニュースは更に増え、私たちを包囲するでしょう。

スマホによりどこにでも付いてきてそしてアルゴリズムによりよりあなたを理解し、あなたの見たいニュースだけを配信し続けます。

そしてあなたに都合の良いニュースだけを繰り返し配信するのです。

SNSと同様に自分の聞きたいニュースだけが流れてくるようになります。

人々は自分に取って耳障りの良いニュースだけ聞いて過ごすようになります。

そして事実はどこにあるのか?気付いたらそんなことすら考えなくなるでしょう。

読了後の感想

この本を読んで読んだ気になってはダメで、ニュースから遠ざかり自分で考えなくてはならないと感じました。

簡単にまとめられたものを見てわかった気になってはいけない。

僕も多くの書評を読んだりまとめ動画を見ますが本を異なっているものが多いというか異なっているものしかないと感じます。

もちろんそのまとめた人のフィルターを通しているから当たり前なのですが。

皆さんも是非本書をきちんと読んで自分なりに考えて頂くと良いのではないかと思います。

より少ないことにこそ豊かさがある

それは薄い情報に関しては事実ですが、深く考えるための時間と情報はある程度の質と量が必要だと思います。

考えるための時間を確保するためにも中身のない情報からは即刻遠ざかるべきです。

読了後、半年以上経過して

ニュースアプリを開くことはほとんどなくなりました。

たまに目や耳にニュースが入っても必ず背景にある出来事や前後関係を確認するようになりました。

多くの場合ニュースに現れる衝撃的な内容と事実は離れているように思います。

災害に関しては早くある程度の概要を知る必要がありますので、ニュースは有用だと思います。

しかし、その他の多くのことに関してはニュース出なくても良いと思います。

コロナウイルスに関しても1日の新規感染者数を夕方に必ず知る意味はないと思います。

知れたければ各県のホームページに行けば正確な数字が検査数とともにきちんと記載されているのですから。

ニュースによりマスコミのフィルターを通してみる必要はないです。

何か知りたいことがあれば直接自分で情報源に当たることができる

そして自分で考えることができる

これだけの環境が整っている現代において、新聞屋テレビのニュースというものの価値はかなり低くなっていると改めて感じています。

そしてニュースに接しないだけで時間の節約もでき、気持ちにも余裕を持つことができます。

皆さんも是非試してみてください。

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