
自分の強みが分からない――
実は、これはごく自然なことです。
むしろ、自分の強みを即答できる人の方が少数派かもしれません。
自己分析で「これが自分の強みだ」と思っていたとしても、往々にしてその評価はずれていたり、過大であったりするものです。
そもそも「他人より優れている点」「他人が真似できない能力」といった“強み”は、他人が評価するものであって、自分で名乗っても意味を成しません。
では、そんな中でも簡単に確実に“強み”を持つ方法があるとしたら、どうでしょうか?
強み=「希少性」である
結論から言えば、強みは“希少性”で代替可能です。
何も特別な才能や能力がなくても、「レアな存在」になるだけで、それは立派な強みになります。
「そんなの難しいのでは?」と思うかもしれません。
ですが、レアな存在になる方法には、意外とシンプルなものがあるのです。
レアになる一番の近道は「ポジショニング」
強みを持たないまま、周囲と同じ土俵で勝負しようとすると、当然ながら比較対象が増え、埋もれてしまいます。
だからこそ、「自分が戦う場所=ポジション」をずらすのです。
たとえば私自身、30代の税理士という点だけでは、東京都内では決して珍しい存在ではありません。
ですが、これが神奈川県の南部地域となると、一気に希少性が上がります。
若い税理士を探している顧客にとっては、他に選択肢がないからこそ“強み”になります。
これは他の業種にも通じる話です。
元サッカー選手がサッカーチームのコーチになる場合、現役時代の実績で競争が激しくなります。
一方で、地方の企業で営業職に就けば、その経歴だけでかなりのレア人材になるでしょう。
自営業で優先すべきは「理想」よりも「安定」
もちろん、「都内で働きたい」「憧れの業界で働きたい」といったこだわりは理解できます。
しかし、自営業で安定的に仕事を得ていくためには、まず仕事がある場所を選ぶことが大前提だと思っています。
安定の上に自分の希望を積み上げる――それが、持続可能なキャリア形成につながると考えています。
まとめ:強みは「作る」もの
- 何も意識せずに生きていて「強み」ができることは、そう多くありません。
- だからこそ、強みは意識して“作る”ものだと思います。
- まずはポジショニングを変えて、希少性を確保する。
- すると、自然とその希少性が「独自性」「有用性」へと発展していきます。
強みがないからといって焦る必要はありません。
自分の立ち位置を少し変えるだけで、“誰にも真似されない存在”になることは、決して夢物語ではないのです。