哲学とは何か?はじめての哲学的思考 苫野一徳著を読んで

哲学に興味がある人は多いと思います。

でも哲学はなんの役に立つのか分からない人も多いと思います。

本書を読むと哲学的な考え方が分かり、哲学を学ぶメリットが理解できます。

哲学とは何かについて

まず、哲学とはさまざまな物事の本質をとらえる営みである

本質について十分な共通理解を持っていないと議論が成立しない

本質とは誰もが納得できる共通理解である。

哲学とは共通の了解を見出すものである。

哲学とは物事の本質をとらえると言われている。

多くの人が理解し共感してくれる共通理解がなくては物事についての理解が進まない。

例えば現代では多くの人が戦争をしたくない、人の命には何物にも替えがたい価値があると考えているからこそ、人命が最優先される判断が下されるし、そのことに対して反論はあまり起こらない。

でも戦国時代では人命よりも先祖から引き継いだ土地が大事であれば皆が命懸けで土地を守ることになり、そのことに人々は疑問を持たなかったであろう。

現代においても、人命について議論が起きることはある。

例えば紛争地帯に自分の意思で渡った人が現地で人質にされたときに、税金から身代金を払って救うか否かについては議論が起きる。

そこには人命が絶対ではないと考える人がいるからである。

しかし、多くの人にとっての共通理解は人命が大事であり、見殺しにすることは忍びないから救うことに大きな反論は出ない。

多くの人の共通理解としてお金が最優先という価値観の時代であれば逆に議論にもならず救わないという結論になるだろう。

(そもそも命よりも金銭が大事という価値観が共通理解になっていれば、人質にはならないかもしれないですが。)

ヘーゲルは人間が戦争をする理由を自由への欲望ををもっているからだとした。

互いに人々がそれぞれの自由を主張し合って戦争となるのだと。

それぞれの人が自分の自由を好き勝手に主張すれば、その利害はすぐに衝突することになるでしょう。

衝突すれば戦争は避けられない。

戦争の結果、全てを手に入れても自由に生きている結果、すぐにまた新たなn相手と戦争になるでしょう。

その繰り返しには人は耐えられません。

その結果、戦争を免れるにはお互いに自由で対等な存在であることを認め合うしかない。

それが自由の相互承認の原理であり、民主主義の根底を支える原理である。

現代は幸いにもお互いの自由を認め合える時代です。

お互いの自由を認め合うため、ある程度の不自由はありますが、それは自由で対等な存在であることを認め合う結果としては受け入れざるを得ない不自由です。

平和であることは不自由であることなのかも知れません。

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